人間ドックや仕事先の細菌検査など、検便をする機会も多いと思いますが、毎回きちんと出るかどうかが一大事ですよね。
当日の朝に困ってしまう方は、計画的に採便するとよいですよ。
本記事では、検便の一般的な方法や、スムーズに排便するための対策、どうしても出ないときの最終手段をまとめています。少しでもストレスなく検便が実施できるよう、ぜひ参考にしてみてくださいね。
検便をする理由
検便を受ける理由には、大きく分けて以下の2種類があり、検査方法や検査できない人が異なります。
- 健康診断や人間ドックの大腸潜血検査
大腸ポリープ、大腸がんなどの検査。2回分を提出することが多い - 飲食店スタッフなどが必要な細菌検査
赤痢菌・サルモネラ属菌・ノロウイルスなどの検査。痔や生理中でも検査可
細菌検査は、感染や食中毒などの拡大を防ぐために、衛生管理マニュアル等で実施することが求められています。
- 食品取扱従事者
- 食事の提供に関わる職員(学校給食・保育園など)
- 水道関係従事者(浄水施設従事者・貯水槽清掃作業員)
定期的に実施している事業者がほとんどです。
業務の一部と考えて協力するようにしましょう。
検便なのに出ない人は多い
このように検便をする機会は多いですが、検便が取れなくて困っている人も多いようです。検便の日に出ないという切羽詰まった投稿が見られました。
- 検便に日にかぎって出ない
- 検査があるのを忘れていた
- 間違って流してしまった
- 最終手段の浣腸をする
困っているのは自分だけではないので、ひとまず落ち着きましょう。
検便に必要な便の量
採取する便の量は、多すぎても少なすぎてもよくありません。検便キットをよく読んで、適量を採取するようにしましょう。
一般的な検査の場合、目安は米粒大(約5㎜)くらいです。
少なすぎる場合は、再検査になってしまうことがありますので注意しましょう。
採便する日と保管方法
なるべく新しい便を提出しましょう。採便日や保管温度は、検査内容により異なりますので、よく確認することが大切です。
一般的な期間は以下のとおりです。
早すぎると再検査になることがあります。
- なるべく新しいものを提出(当日から3日前くらいまでを推奨)
- 最長でも4日~1週間以内に採便(時間が経つほど検査の信頼性が失われる)
- 採便時間はいつでも可
- 別の便であれば、同じ日の便でも可
直射日光を避け、なるべく涼しい場所(25℃以下)に保管しましょう。早めに採便した場合は、冷蔵庫に保管するのが理想です。
食品と一緒に保存したくない場合は、保冷剤と一緒に保冷袋に入れるなど工夫して保存するようにしましょう。
出にくい人のための対処法と最終手段
毎日決まった時間に排便できる人ばかりではありませんので、当日の朝に何とかしようとするのは避けた方がよいかもしれません。
特に人間ドックなどで2日分出さなければならない時は、計画的に採便しましょう。1日分では、正しい検査結果が出ず、病気の早期発見の機会を失ってしまうことにもなりかねません。
きちんと2日分を提出しましょう。
対処法
検便提出日にあわてないための対処法として、以下のようなことを試してみましょう。
- 便通をよくするような生活習慣
- ツボや反射区を押してみる
- 便秘薬を飲む(下痢の場合は下痢止めも可)
順番に解説していきます。
便通をよくする生活習慣
検便前に慌てないためには、日頃から、便通をよくする生活習慣をすることが大切です。できることから始めてみましょう。
- 食物繊維が豊富な食事
海藻類・豆類・根菜類・きのこ類・緑黄色野菜・果物・玄米・ライ麦パンなど - 発酵食品の摂取
ヨーグルト・みそ・ぬか漬け・納豆・キムチなど - 朝食をきちんととる
- 規則正しい生活
- 水分を多めにとる(朝起きたら、コップ1杯の水を飲むと効果的)
- 適度な運動やマッサージ
ウォーキング、体操、ストレッチ、ヨガなど
排便の姿勢は、ロダンの「考える人」をイメージしてみて。
ツボや反射区を押してみる
便秘に効くツボや、手や足の裏にある大腸の反射区を押してみるのも、便秘解消に有効です。速攻で腸がゴロゴロしてくることもありますよ。
- 天枢(てんすう)/おへそから指3本分外側の左右
- 大巨(だいこ)/左右の天枢の指3本分下
- 合谷(ごうこく)/手の甲側、親指付け根の骨と人差し指付け根の骨の接する部分を人差し指に向かって押して、少し痛みを感じる部分
- 神門(しんもん)/手首内側のシワを小指側に撫でて行ったときに、骨のでっぱりの手前にある窪み
- 湧泉(ゆうせん)/足の指を内側に曲げたときにできる窪みの部分
- 足裏の腸のゾーン/足裏の土踏まず一帯
心地いいと感じるくらいの強さで、3~4秒かけてゆっくりと押しましょう。
便秘薬を飲む
一般的な検便では、市販の便秘薬や下剤を飲んでも大丈夫です。(一部、薬品や食品に制限のある検査方法もあります。)
薬が効くまでの時間を考えて服用しましょう。
薬で軟便になってしまった場合には、なるべく塊の部分を採取するようにしましょう。下痢の人が下痢止めを飲むのも、問題ありません。
最終手段
いろいろ試してダメな場合は、最終手段です。
- 後日郵送できるか確認する(提出可能な猶予期間がある場合が多い)
- 1日分でも検査が可能か確認する
- 浣腸
以下のNG行動は、腸を傷つけたり正しい検査結果が出ませんので、絶対にやめましょう。
- 採便スティックを肛門に挿入する
- 空の容器を提出
- 同じ便を2個の容器に分けて入れる
便潜血検査の場合、女性は生理中でとれないことはよくあるケースです。猶予期間が設けられていることが多いので、医療施設や検査機関に相談しましょう。
まとめ
検便なのに出ないときの対策と最終手段について解説しました。検便は、自分の健康や、感染・食中毒拡大防止のために重要ですので、正しいやり方で提出したいですね。
毎日出ない人は、提出日の少し前から計画的に採便するのがおすすめです。便秘薬を使っても大丈夫ですよ。
日頃から食生活や運動などの生活習慣を改善して、スムーズな排便をめざしましょう。