シフォンケーキやマカロンなど、ふわふわ食感のお菓子を作るうえで避けて通れない工程が、メレンゲづくりです。しかし、このメレンゲはなかなかの曲者。失敗して残念な仕上がりになってしまったという人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、メレンゲが失敗してしまう原因や、うまく泡立たない時の復活方法について解説します。失敗メレンゲをおいしく活用する方法もご紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
メレンゲとは
「メレンゲ」とは、卵白に砂糖を加えて泡立てたものをいいます。
- 卵白が持つ「起泡性」「泡沫安定性」による
- ムースやシフォンケーキケーキの生地づくりや、フリッターの衣などに使われる
- ふわふわした食感にしたり、生地の膨張剤の役割をする
- マシュマロ
- ムース
- シフォンケーキ
- マカロン
- ダックワーズ
- パヴロヴァ (ケーキ)
- モレンクッキー
- メロンパン など
メレンゲの種類
メレンゲの作り方には、以下の3種類があります。
- フランス式(フレンチメレンゲ)
最も一般的な作り方で、卵白に砂糖を2~3回に分けて加えて泡立ててつくる - イタリア式(イタリアンメレンゲ)
軽く泡立てた卵白に、熱いシロップを加えながら泡立ててつくる
しっかりと安定した気泡のメレンゲがつくれ、ムースやデコレーションなどによく使われる - スイス式(スイスメレンゲ)
砂糖を加え、湯煎で50℃に温めた卵白を泡立ててつくる
形が崩れにくいメレンゲができ、冷たいお菓子やデコレーションにむく
家庭でメレンゲを作る場合は、フレンチメレンゲが主流です。まずはフレンチメレンゲをマスターしましょう。
メレンゲが泡立たない理由は?
「泡立たない」などのメレンゲ失敗の理由には、以下のようなものがあります。
・砂糖を一気に入れている
・泡立て時間が足りない
・調理器具に水滴や油がついていた
・古い卵の使用
・卵黄が混ざってしまった
・泡立てすぎ・泡立てにムラがある
一つずつ解説していきますね。
砂糖を一気に入れている
卵白に砂糖を一気に入れると、泡立たなくなってしまいます。
【泡立たない理由】
砂糖には「泡を安定させる」「水となじむ」の2種類の性質があり、一気に入れると卵白の水分と砂糖がなじみ、空気がとりこめなくなってしまいます。
- 砂糖を入れる前に、大きめの泡ができる程度まで軽く泡立てる
- 使用する砂糖を、3回に分けて入れていく
泡立て時間が足りない
そもそもの泡立て時間が足りないことが原因のことがあります。
- 手動の場合、混ぜる時間は5~10分程度かかる(長くて15分)
- 卵白と砂糖に空気を含ませるように、休まずに一気に仕上げる
- ハンドミキサーを使うと楽
調理器具に水滴や油がついていた
ボウルや泡立て器に水滴や油がついていると、泡立たなくなります。
- たった1滴でもメレンゲが分離する
- 調理器具は、しっかりと洗浄して乾燥したものを使う
古い卵の使用
古い卵を使うと、メレンゲが泡立たなくなります。
冷蔵庫から出したての、新しい卵を使う
卵黄が混ざってしまった
卵黄に含まれる油分が気泡を壊してしまい、泡立たなくなってしまいます。
卵黄がまざらないように、卵白と卵黄を分ける
「エッグセパレーター」という卵黄と卵白を分ける道具があり、100均でも手に入りますよ。いつも失敗してしまう方は使ってみるのもおすすめです。
泡立てすぎ・泡立てにムラがある
混ぜすぎや混ぜ方にムラがあると以下のような状態になり、お菓子がうまく仕上がりません。
- ボソボソしたメレンゲになってしまう
- 水分が出てくる(離水)
- ツヤがない
- ボウル全体を泡立てる
- ボウルのふちの卵白まで、ボウルを回しながら、まんべんなく泡立てる
- ピンと角がたつまで泡立ったら、それ以上は攪拌しない
泡立たないメレンゲの復活方法
油分や水分が入ってしまうと、プロでも復活させるのは難しいようです。もし油分や水分以外に原因がある場合は、以下のような方法で復活することがあります。
- 冷蔵庫で冷やしてみる(30分ほど冷やして再度泡立てると、復活することがあります。)
- 冷凍庫で冷やしてみる(15分ほど冷凍して再度泡立てると、復活することがあります)
- 氷水にボウルの底をつけて冷やしながら泡立ててみる
- 湯煎をして温度が50℃になるまで温めてから、再度泡立ててみる(スイス式メレンゲの作り方)
泡立たないメレンゲを復活させるポイントは、「冷やす」か「温める」です。諦める前に試してみましょう。
失敗メレンゲの活用方法
メレンゲが上手くできなかったときでも、捨ててしまうのはもったいないですよ。別のお菓子を作って、おいしくいただきましょう。
- ラングドシャ
- クッキー
- カップケーキ
- マドレーヌ(フィナンシェ)
- パウンドケーキ など
COOKPADなどにも失敗したメレンゲの活用レシピが色々と紹介されています。参考にするとよいですね。
ラングドシャの作り方
失敗メレンゲを使って簡単にできる、ラングドシャを紹介します。
さくっとした軽い食感とやさしい口どけがたまらないラングドシャは、全卵ではなく卵白のみを使うのが特徴のクッキーです。本来は卵白を泡立てずに使用しますが、失敗メレンゲに小麦粉を加えて簡単に作ることができます。
- 失敗メレンゲ
- 薄力粉
- お好みで、ココアパウダー・抹茶・紅茶など
- 失敗したメレンゲに、薄力粉を振るって入れる
- 切るように混ぜる
- 天板にクッキングシートを敷き、スプーンで生地を丸く置いていく
- 170度に予熱したオーブンで約15分焼く
メレンゲのコツまとめ
メレンゲを上手に作るコツをまとめます。
- 使用するボウルや泡立て器は洗浄し、しっかり乾燥させておく
- 卵は新しいものを使い、よく冷やしておく
- 卵白に卵黄が混ざらないように分ける
- 砂糖は最初に軽く泡立ててから、3回に分けて入れる
- ボウル全体の卵白が混ざるように、ボウルを回しながらまんべんなく泡立てる
- ハンドミキサーを使うと短時間で出来上がる
- ツノがたつようになったら、攪拌をやめる
メレンゲはとても繊細で、失敗はつきもの。めげずにリベンジして完璧なメレンゲを習得しましょう。
失敗メレンゲは、シフォンケーキやスフレなどのフワフワのお菓子には向きませんが、別のお菓子に利用できます。計画を柔軟に変更して、おいしく召し上がってくださいね。