年の瀬も押し迫った頃に訪れる冬至。皆さんの住む地域ではどんな風習がありますか。近年では、昔ながらの風習にとらわれることなく、特に何もしないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、冬至がどんな日なのか、冬至の日に行う風習にどんな意味があるのかを解説します。おすすめのかぼちゃ料理もご紹介しますよ。
例年何げなく過ごしている冬至の日を、重要な節目の日として大切に過ごしてみませんか。
冬至とは
2023年の二十四節気の冬至は、12月22日~1月5日です。
冬至に入る日である冬至の日は、日の出から日の入りまでの時間が1年で最も短い日(太陽の位置が最も低くなる日)です。
【参考:二十四節気】
冬至の日は、二十四節気「冬至」の最初の日です。以下、冬至の日を「冬至」と記載します。
冬至の風習
日本には冬を乗り切るため、様々な冬至の風習があります。
- かぼちゃを食べる
- 柚子湯に入る
- こんにゃくを食べる
- 小豆粥を食べる
冬至の風習には、無病息災を願う昔からの生活の知恵が反映されています。
かぼちゃ
最もポピュラーな風習は、かぼちゃを食べることです。かぼちゃを食べる理由は、いくつか考えられます。
- 収穫時期は夏だが、常温で冬まで長期保存ができた
- 冬に不足しがちな栄養素(ビタミン・ミネラル・カルシウム・食物繊維など)がバランスよく含まれている
- 黄色は「魔除け」の色とされていた
- 「ん」がつく食べ物が幸運を呼ぶと考えられていた
冬至に食べるとよいとされる「ん」のつく食べ物には、以下のようなものがあります。
- なんきん/南京(かぼちゃのこと)
- れんこん/蓮根
- にんじん/人参
- ぎんなん/銀杏
- きんかん/金柑
- かんてん/寒天
- うんどん/饂飩(うどんのこと)
かぼちゃは、野菜が不足する冬場に食べられる貴重な栄養源でした。「冬至のななくさ」は、寒い時期にとりいれたい食材ばかりですよね。
柚子湯
冬至には、柚子湯に入る風習があります。柚子湯に入るのもいくつか理由があります。
- 「冬至」と「湯治」、「柚子」と「融通がきく」の語呂合わせから、江戸時代に銭湯で始まったといわれる
- 冬至が柚子の収穫期に当たる
- 柚子の果皮には、ビタミンCやクエン酸などが含まれ、風邪予防や血行促進、保湿に効果的
- 柚子の強い香りが邪気を払い、運を呼び寄せると考えた
- 柚子の黄色に魔除けの効果があると考えられた
- 柚子は実るまでに長い年月がかかることから、「長年の苦労が実りますように」との願いをこめた
柚子湯の方法
柚子湯のやり方には、いろいろな方法がありますのでご紹介します。ご家庭にあったやり方を試してみてくださいね。
- 丸ごと入れる
たくさんある場合におすすめ
切り込みや一部の皮をむくと香りが出やすい - 輪切りや半分にカットして入れる
洗濯ネットやガーゼの袋にいれる - 皮のみを入れる
洗濯ネットやガーゼの袋にいれる - 搾り汁を入れる
肌の弱い方には刺激となりますので、少しずつ様子をみながら入れましょう。
こんにゃく
冬至にこんにゃくを食べる風習がある地方があります。食物繊維の多いこんにゃくを食べ、体にたまった老廃物を排出することを「砂払い」といいます。
- こんにゃくは体にたまった砂(毒素)を出すと考えられていた
- 「ん」がつくことから、幸運を呼ぶとされた
- こんにゃくは「意のほうき」「腸の砂おろし」と呼ばれ、大晦日、節分、大掃除の後に食べられた
こんにゃくが便秘によいとされるのは、今でも変わりませんよね。
小豆粥
地域によっては、小豆粥を冬至の朝に食べる風習があります。
- 赤色は悪霊を払うとされ、小豆粥を食べてお祓いをする中国の風習が伝わった
- 赤い色は運気を呼び込む縁起のよい色
- 小豆粥を食べると疫病にかからないという伝承がある
- 小豆粥のことを「冬至粥」ともいう
- 地域によりかぼちゃや餅を入れるところもある
小豆には、食物繊維やたんぱく質、カリウム、鉄、ポリフェノールなどの成分が含まれていて、普段の食生活にも取り入れたい食材です。
冬至にはかぼちゃを食べよう
冬至におすすめのかぼちゃ料理を、2品ご紹介します。
- いとこ煮
- かぼちゃのポタージュ
以下を参考に、ぜひ作ってみてくださいね。
いとこ煮
かぼちゃとあずきの最強の取り合わせです。煮小豆があまったら、ぜんざいにするのもよいですよ。
- かぼちゃ
- 小豆
- 砂糖
- 醤油
【作り方】
- 小豆を柔らかくなるまで煮る
〈小豆を煮るポイント〉
・小豆は浸水せず、洗ってそのまま煮ることができる
・一度沸騰したら水を替える
・柔らかくなるまで調味料は加えない(調味料を加えてしまうと、豆が柔らかくならない) - かぼちゃは種とわたを取り、3~5㎝角くらいの大きさに切り、一部分の皮をむく
丁寧に作る場合は、面取りをするとよい - かぼちゃを水・醤油・砂糖で煮て、途中で小豆を加える
ゆで小豆を使うと、より手軽に作れます。加糖のゆで小豆を使う場合は、砂糖の量を調整しましょう。
かぼちゃのポタージュ
かぼちゃをポタージュにすれば、お子さまも喜んで食べてくれますよ。ハロウィンやクリスマスのご馳走にも。
- かぼちゃ
- タマネギ
- 牛乳(豆乳)
- コンソメ
- バター(オリーブオイル)
- 塩
- こしょう
- お好みで、生クリーム、クルトン、パセリ
【作り方】
- かぼちゃ、タマネギを小さめに切る
- タマネギ、かぼちゃをバターで炒め、コンソメとひたひたの水を加えて柔らかくなるまで煮る
- 柔らかくなり粗熱が取れたら、ミキサーにかけてなめらかにする
- 鍋に戻し、牛乳や豆乳でお好みのとろみになるまで伸ばし、塩コショウで調味する
- お好みで、生クリーム、クルトンやパセリを浮かべる
まとめ
冬至について解説しました。
12月下旬はいよいよ寒さが本番となり、日も短くなって心細い時期です。でも冬至を境にだんだん日が長くなって春が近づくと思うと、元気が出ますよね。
現代人は忘れがちですが、無病息災を願って昔から続けられてきた風習の意味を、子や孫にも伝えていきたいものです。おいしいかぼちゃ料理を食べ、柚子湯に入って、厳しい冬を乗り切る準備をしましょう。