日本の夏は、もはやエアコンなしで過ごすのが難しいほど、高温になってきています。でも、なかには
- エアコンが苦手
- エアコンが壊れた
- 節電しなければならない
など様々な理由で、エアコンを使えない方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、エアコンを使わずに涼しく過ごすための方法を紹介しています。ぜひ参考にしていただき、少しでも涼しく快適に過ごしてくださいね。
エアコンを使わずに部屋を涼しくする方法
エアコンを使わずに、部屋を涼しくする方法をご紹介します。
中心となる対策は
- 風通し
- 遮光
です。
以下具体的に解説します。すぐにできるものが多いので、ぜひ生活に取り入れてみてくださいね。
風通しをよくする
なるべく風が通るように工夫しましょう。
以下、風通しを良くする方法を具体的に解説します。
窓を開ける
部屋の温度を下げる最も基本的な方法は、窓を開けることです。
- なるべく対角線上の窓を2カ所開ける。
- 風の入口となる窓は小さく、風の出口となる窓は大きく開ける
1.対角線上の窓を2カ所開ける
離れた場所にある、2カ所の窓を開けることがポイントです。部屋に窓が1つしかない場合でも、ドアを開けて別の部屋の窓を開けることにより、風が流れます。
南側と北側を開けると、風が抜けて家全体が涼しくなります。ふだん締め切っている北側の部屋や納戸などがあったら、窓開けができないか考えてみましょう。
二階建ての家は、2階の窓を開けて、下から上へ空気の流れをつくると涼しくなります。
2.風の入口となる窓は小さく、風の出口となる窓は大きく開ける
入ってきた風は出口に向かって吹き抜けますが、入口を小さく開けた場合は、より勢いよく風が流れます。
これは、ホースを潰すと水が勢いよく出るのと同じ原理なのだそうです。ぜひ試してみてくださいね。
扇風機や換気扇を回す
風がないと、窓を開けてもなかなか風が通らないことがあります。
そんな時は、換気扇や扇風機を回して、風の流れを強制的につくりましょう。室内と屋外の温度や湿度により、扇風機の向きを変えるとよいですよ。
室内の熱気を外に出したいとき
扇風機を窓の近くに置き、外に向かって風をおくる
外気を室内に取り入れたいとき※
扇風機を窓の近くに置き、室内に向かって風を送る
※ベランダや庭などに打ち水をすると、より効果的です。
風の流れの妨げになるものをなくす
風の流れを妨げるものを、片づけるなどして取り除きましょう。風通しが断然よくなります。
- レースのカーテン
- 網戸や換気扇のほこり
- 家具や洗濯物
1.レースのカーテン
レースのカーテンは種類にもよりますが、意外と風が通りません。カーテンを開けるのが理想ですが、目隠しのためになかなか難しいですよね。
そんなときにおすすめは、「すだれ」や「カフェカーテン」です。どちらも取り付けが簡単で、気になる視線は遮りますが、風がよく通ります。
2.網戸や換気扇のほこり
網戸に埃がたまっていると、風が通りません。網戸の埃を除去すると、一気に爽やかな風が通るようになります。ブラシや掃除機などを使って、こまめに掃除するようにしましょう。
換気扇のフィルターの掃除も効果的です。室内換気扇がついているお宅は、フィルターを洗っておきましょう。
3.家具や洗濯物
- 窓の前に置いてある家具
- カーテンレールにかかっている洗濯物
- 風の通り道に干してある洗濯物
などの配置を変え、風の通り道を確保しましょう。
遮光する
窓を開けると同じくらい重要なのが、遮光です。
- すだれやよしず
- グリーンカーテン
- サンシェード
1.すだれやよしず
室内に直射日光が入るのを防ぐには、「すだれ」や「よしず」を使ってみましょう。
すだれは室内でも室外でも使えますが、つるすところがあれば、窓の外に設置するのが効果的です。よしずは、軒先やベランダで立てかけて使います。
すだれやよしずに打ち水をすると、より涼しい風を室内に取り込むことができます。
2.グリーンカーテン
つる性の植物を窓の外のネットに這わせて、カーテンのように栽培したものを「グリーンカーテン」といいます。
- 日差しを遮る
- 葉から蒸発する水分で温度を下げる
効果があります。
アサガオ・ゴーヤ・ヘチマなど
グリーンカーテンの作り方は、以下のサイトなどを参考にしてくださいね。
3.サンシェード
直射日光を防ぐアイテムとして、庭やベランダに設置できる「サンシェード」も色々販売されています。
身体を冷やす
部屋を涼しくすることに加え、直接身体を冷やすと涼しいですよね。
- 扇風機の風にあたる
- ぬるめのシャワーを浴びる
- 保冷剤で冷やす
1.扇風機の風にあたる
扇風機、卓上ファン、ベルトファンなど風を送るアイテムを使ってみましょう。扇風機の前に凍らせたペットボトルを置くと、気化熱の効果で更に涼しくなりますよ。
2.ぬるめのシャワーを浴びる
35℃~38℃くらいのシャワーを浴びると涼しくなります。時間がない人は、足を水につけるだけでも。
3.保冷剤で冷やす
タオルで巻いた保冷剤を、首や脇の下、鼠径部に当てると、体温を下げるのに効果的です。凍らせたペットボトルやアイスタオルもよいですね。
打ち水をする
ベランダや庭がある方は、打ち水をしてみましょう。
- 熱せられた地表の温度が、水をかけることにより下がる
- 水が蒸発する際の気化熱の効果で、気温を下げる
- 打ち水した場所の気圧が下がり、空気の流れができる
日中はすぐに蒸発してしまうので効果が持続しませんので、朝や夕方など日差しの弱い時間帯に打ち水をすると効果的です。
夕方に打ち水をすることにより、寝苦しさの解消も期待できます。
部屋の湿度を下げる
同じ気温でも湿度によって、体感温度が変わります。また、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体温が下がりにくくなります。
- 換気を適切に行う
- 除湿器を置く
- 扇風機やサーキュレーターで空気を循環させる
- 凍らせたペットボトルを置く※
- 部屋干しの際は、新聞紙を置く など
※空気中の水分が冷やされて水滴となり、ペットボトルの表面に付着します。結露した分の水分が空気中から減るので、湿度が下がるというわけです。たまった水滴は、適宜ふき取りましょう。
電気製品の交換や使い方を見直す
熱を発生する電気製品の使い方を、見直してみましょう。
- 照明を、白熱電球からLEDに交換する
- テレビやパソコンの電源をこまめに切る
白熱電球を使っている方は、LEDランプや蛍光ランプに交換しましょう。LEDは値段が高いですが、節電効果は絶大です。
また、熱が発生する電気製品を壁から10㎝以上離して置くようにしましょう。こちらも室温上昇を抑えるうえに、電気代の節約にもなります。
家のリフォーム
工事が必要になりますが、家の断熱材や窓をリフォームすることで、夏の室温上昇、冬の防寒対策になりますので検討してみましょう。
- 窓の高断熱化リフォーム
- 外壁や屋根のリフォーム
などは、住宅の所有者や工事の内容により補助金が受けられる制度もあります。補助金は支援事業者による申請となります。地方公共団体による支援制度がある場合もありますので、調べてみましょう。
国土交通省・経済産業省・環境省
「住宅省エネ2023キャンペーン」
その他
その他、涼しくするアイディアをいくつかご紹介します。
室内に植物を置く
植物の葉から水分が蒸発する際に、室内温度を下げる効果が期待できます。もちろん見た目も涼やかで、インテリアとしても素敵ですよね。
香りを利用する
お部屋に清涼感のある香りを取り入れてみましょう。体感温度を下げてくれる代表的な香りはペパーミントです。
ミントの一種であるハッカから抽出した「ハッカ油」を使った、リードディフューザーをご紹介します。
無水エタノール/適量
ハッカ油/数滴
リードディフューザー用のスティック
空き瓶
空き瓶に液体材料を入れ、スティックを挿す
参考:健栄製薬公式サイト
ハッカ油は、清涼スプレーや虫よけなど、様々な用途に使うことができますのでおすすめです。
風鈴を下げる
日本人は、風鈴の音を聞くと涼しいと感じる、独特の感性を持っているといわれます。お気に入りの風鈴を下げて、涼を感じてみましょう。
部屋を片づけスッキリさせる
部屋の片づけをしましょう。床や窓を掃除するのも効果的です。
余計なものが置いていない室内はすっきりとして涼しく感じます。テーブルの上、棚の上などできるところから整理してみましょう。
アクリルやウールなどあたたかみのある素材のものをしまって、麻やガラスなど清涼感ある雑貨を飾るとよいでしょう。
とはいえエアコンも活用すること
エアコンを使わずに涼しくする方法をご紹介してきましたが、熱中症を防ぐためには、適切にエアコンを使うことが基本です。
特に「熱中症警戒アラート」が発令されている地域でエアコンを使える方は、迷わずエアコンを使用しましょう。
「熱中症警戒アラート」は、熱中症の危険性が極めて高くなると予測された際に、危険な暑さへの注意を呼びかけ、 熱中症予防行動をとっていただくよう促すための情報です。
引用元:環境省「熱中症予防情報サイト」
熱中症警戒アラートは「暑さ指数」に基づき、危険と予測される日の
- 前日17時
- 当日5時
の2回発表されます。
発表状況はニュースや天気予報のほか、環境省や気象庁の公式サイトで知ることができます。メール配信サービスもありますので、必要な方は利用しましょう。
まとめ
エアコンなしで涼しく過ごす方法を、まとめてご紹介しました。参考になるものがありましたら、ぜひ取り入れてみてくださいね。
暑い夏はこれからが本番。猛暑日や体調が悪い日は、無理せずエアコンを使用するのが大切です。睡眠、栄養・水分摂取にも気を付けて、夏を元気に過ごしましょう。