梅を使って保存食づくりをすることを「梅仕事」といいます。店頭に梅の実が並ぶのを、梅雨時の楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。
でも初めて梅仕事に挑戦したいという方には、分からないことが多いですよね。梅の実は出回る期間が短いので、収穫時期も知っておきたいところです。
本記事を読むと、梅の収穫時期や、完熟度によりどんな加工方法がむいているのかがよくわかりますよ。手作りの梅干しや梅酒、梅シロップで、むし暑い日本の夏を乗り切りましょう。
梅の収穫時期
梅の収穫時期は一般的に
6月~7月頃
です。
ちょうど梅雨の時期にあたりますね。この時期がきたら気を付けてお店を回ってみましょう。
種類別の梅の収穫期
梅は、種類や産地により収穫時期が異なります。またその年の生育状況により、収穫時期は前後します。
代表的な梅の品種の収穫時期は、以下のとおりです。
品種 | 主な生産地 | 収穫時期 |
①南高 | 和歌山県 | 6月下旬~7月初旬 |
②白加賀 | 群馬県・埼玉県 | 6月上旬~下旬 |
③古城 | 和歌山県 | 5月下旬~6月上旬 |
④甲州最小 | 山梨県 | 5月~6月 |
⑤豊後 | 青森県・長野県 | 6月~7月 |
⑥鶯宿 | 徳島県 | 6月~7月 |
梅は和歌山県が有名ですが、和歌山以外でも様々な品種が栽培されています。サイズや硬さに応じて加工されています。
加工方法により適した収穫時期がある
梅は、成熟の度合いにより
- 青梅
- 半熟梅
- 完熟梅
に分けられます。
それぞれの熟度に適した加工方法がありますので、紹介していきますね。
青梅に適した加工品
青梅はまだ熟していない青く硬い梅です。酸味や風味が強いのが特徴です。
- 梅酒
- 甘露煮
- 梅シロップ
- カリカリ梅
半熟梅に適した加工品
青梅が少し黄色く色づいてきた頃が半熟梅です。青梅に比べまろやかな甘味があります。梅干しを硬めに仕上げたいときは半熟梅を使います。
- ジャム
- 梅シロップ
- 梅酒
完熟梅に適した加工品
完熟梅は、青梅から半月から1カ月くらい遅く収穫が始まります。黄色く柔らかい果肉が特徴です。
- 梅干し
- ジャム
梅の収穫方法
梅は熟し具合により、収穫方法が異なります。
青梅
青梅は自然落下しないので、手で収穫する必要があります。自分で栽培している方は、ひとつずつ丁寧に、ねじるように収穫しましょう。
完熟梅
完熟梅は自然落下しますので、傷つかないよう下にネットを張って収穫します。落下した完熟梅は、すぐに塩漬けなどにして加工します。
未加工の梅は食べられない
加工する前の梅には毒成分があり、そのまま食べられません。
梅の木の下に実が落ちていることがありますが、小さいお子さまにはお散歩のときなどに教えてあげるとよいでしょう。
梅の下処理の方法
梅は加工する前に、下処理する必要があります。
- きれいに洗う
- たっぷりに水に1~2時間ほどさらしてあく抜きをする(完熟梅はあく抜きしなくてOK)
- 水気をふき取り、ヘタを取る
梅の保存方法
梅は収穫後も追熟します。
すぐに下処理、加工しましょう。
追熟させたいときは、以下の方法で追熟を待ちましょう。
- 買ってきたらすぐに、袋から出す
- ざるに並べて乾燥させる
- 風通しの良い、直射日光の当たらない場所で、ざるや新聞紙に並べる(乾燥防止に新聞紙をかけておく)
- 1日1回チェックして、カビが生えたり傷んだりしたものを取り除く
- 3日~5日くらいで追熟する(黄色く、良い香りになる)
すぐに加工できない場合は、
下処理をしてから冷凍保存しましょう。
解凍は
- 自然解凍
- 水をはった容器に入れて、レンジ解凍
で行います。
まとめ
梅の収穫時期や加工方法により適した完熟度、下処理方法などについて解説しました。
あく抜きやヘタ取りなど下処理だけでも手間がかかりますが、比較的簡単な梅シロップや梅酒作りから始めてみるのはいかがでしょうか。ぜひご家族を巻き込んで、楽しく梅仕事に挑戦してみてくださいね。