ご家庭に1本あると便利なシリコンスプレー。潤滑剤として使っている方が多いと思いますが、それ以外にも様々な使い道があります。
本記事では、シリコンスプレーの上手な使い方や、使ってはいけない場所、注意点などを解説します。使い方を間違えると思わぬ事故や故障の原因になりますので、ぜひ最後までお読みくださいね。
シリコンスプレーとは?
「シリコンスプレー」とは、素材の表面をシリコーン被膜でコーティングすることにより、
- 潤滑
- 防水・撥水
- 防汚
- 艶出し
などが期待できる、便利なスプレーです。ホームセンターなどで購入できます。
100均のダイソーでも手に入りますよ。
オイルスプレーとの違い
「オイルスプレー」もシリコンスプレーと同じように、潤滑剤として使われますが、オイルスプレーは吹きかけた後に乾燥しないという特徴があります。このため、オイルスプレーは使用後、べたべたしてホコリがついてしまうというデメリットがあります。
また、シリコンスプレーはオイルスプレーが使えないプラスチック、ゴムにも使用できます。
シリコンスプレーの種類
シリコンスプレーには
- 無溶剤タイプ
- 石油系溶剤タイプ
の2種類があります。
○ | ✕ | |
無溶剤タイプ | 紙・木材・金属・ゴム・プラスチック | ― |
石油系溶剤タイプ | 機械部品・金属製品 | ゴム・プラスチック・グリース類塗布物 |
被噴射物の素材により、どちらにするか決めましょう。
無溶剤タイプ
無溶剤タイプは、石油系溶剤を含まないスプレーです。防水、撥水に長けており、紙や木材など素材を問わず万能に使用できます。
ご家庭に1本常備しとおくのなら、無溶剤タイプがおすすめです。
石油系溶剤タイプ
石油系溶剤タイプは浸透性が高いのが特徴で、自転車やバイクなどのお手入れによく使用されます。細かいパーツの潤滑目的で使用することがおすすめです。
タイヤなどのゴムやプラスチック部分には使用できません。
シリコンスプレーはどうやって使うの?
シリコンスプレーには、その特徴を生かして様々な使い道があります。以下、具体的に使えるシーンを見てみましょう。
車のボディ
車のボディの艶出しにはワックスを使う方が多いと思いますが、シリコンスプレーはワックスの代用品として使用することが可能です。艶出し、撥水効果が期待できます。
洗車をして汚れを落としたのち、水滴がまだついている状態でスプレーし、ムラにならないようウエスで塗り広げましょう。無溶剤タイプを使いましょう。
樹脂部分の艶出しにも効果的です。
タイヤの艶出し
洗浄してから、シリコンスプレーを噴射したクロスで拭き上げるとぴかぴかになります。
引き出しの滑りをよくする
引き出しがスムーズに開閉しなくてイライラしている方は、シリコンスプレーを使ってみましょう。
引き出しを一度出して、レール部分と接する部分にスプレーします。
はさみの切れ味をよくする
切れ味が悪くなってきたハサミの刃に噴射し、ティッシュなどで塗布しましょう。
新品のような切れ味が復活します。
ファスナーの開閉の改善
動きがわるくなったファスナーにスプレーするとスムーズに開け閉めができるようになります。
無溶剤タイプを選びましょう。
防水スプレーとして
靴やレインコート、手袋などにも使用できます。防水効果とともに防汚効果も期待できます。
大切な靴などには、目立たないところで試してから使用しましょう。また靴底にかからないよう注意しましょう。
障子やふすま敷居
動きが悪くなった障子やふすまの敷居に使ってみましょう。スプレーすると、周りの床に飛散して危険です。最小限の面積に周囲を養生してから散布、または建具の底の部分に塗るのがおすすめです。
食器棚の引き戸
動きが悪くなった食器棚の引き戸にもおすすめです。
カーテンレール
滑りが悪くなったカーテンには、カーテンレールにスプレーしてみましょう。
カーテンにかかるとしみになってしまうことがありますので、かからないよう注意しましょう。
パソコンのマウスやマウスパッド
マウスの動作が遅くなったと感じた場合は、マウスパッドにスプレーしてみましょう。
マウスをスプレーした布などで拭くのもおすすめです。
椅子のキャスター部分
椅子のキャスターにスプレーすると、動きが軽くなります。
床にかからないよう注意してスプレーしましょう。
家具の艶出し
無溶剤タイプのシリコンスプレーは、木材の家具にも使用できます。艶出しや防水の効果があります。
子どものおまるや介護用ポータブルトイレ
表面がつるつるになり、汚れがおちやすくなるため、お掃除が楽になります。
雪かきスコップ
雪かきスコップにスプレーしてみましょう。雪がスコップに残らず、雪かきを楽にすることができます。
シールを取りやすくする
お子さまがいたずらしそうな場所にスプレーしておくと、シールがはがれやすくなります。
使ってはいけないところは?
幅広いシーンで使用できることがわかりましたが、気をつけなければいけないこともあります。次に使ってはいけないところを解説します。
ブレーキ・タイヤ・ペダルなど
自動車、バイク、自転車、車椅子などに使う場合、以下の場所には使えません。
ブレーキが利かなくなったり、足が滑ったりして非常に危険です。電子機器部分に使用すると電気が流れにくくなり、故障や事故の原因になることがあります。
これらの周辺に使う場合は、飛散して付着しないよう布などに吹き付けてから、拭くようにしましょう。
鍵穴
住居や車などの鍵穴には使用できません。
油の膜やほこりが付着し、故障の原因となります。修理・交換が必要になることもあります。
床
フローリングや畳などに艶を出したくても、シリコンスプレーを吹きかけるのは危険です。思った以上にツルツルになります。転倒などで思わぬケガをしてしまうかもしれません。
予め新聞紙をひくなど、床に付着しそうなときは対策をしましょう。
敷居
敷居も床と同様、スプレーすると転倒の原因になります。塗るのは最小限に、できれば障子やふすまなどの建具の方に塗るようにしましょう。
皮や布製品
無溶剤タイプは皮や布にも使用できますが、シミができる可能性があり、できれば使わない方がよいでしょう。
皮製品の艶出しには、専用のクリームなどでお手入れをしましょう。
傘
傘の生地もスプレームラやシミがつく恐れがあるため、使用はおすすめできません。
間違って使ってしまったら
万が一床に撒いてしまった場合などは危険なので、適切な方法で落とすようにしましょう。
シリコンスプレーを除去するには、以下の方法があります。
シリコンスプレーには、シリコンオイルと呼ばれるシリコーン樹脂を油状にしたものが入っています。主な成分が油なので、家庭用食器洗剤や、クレンザーなどで掃除するのが有効です。
完全に除去したい場合は、「シリコンオフ」と呼ばれる脱脂剤があります。シリコンオフスプレーを使う場合は、換気をよくして、火気の近くでは使わないようにしましょう。
クリーナーによっては素材を痛めてしまうことがありますので、注意してくださいね。
シリコンスプレーを使用する際の注意点
シリコンスプレーの毒性は比較的低いと言われていますが、誤った使い方をすると危険です。以下のことに注意してください。
1.吸引しない
シリコンスプレーは吸引すると危険です。なるべく屋外で使用し、屋内では十分に換気をするようにしましょう。
お子さまやペットがいる方は、近くで使用しないようにしてくださいね。
また、作業をするときは、必ずマスクをするようにしましょう。
2.火気厳禁
シリコンスプレーの成分は可燃性です。火の気のあるところで使用してはいけません。たばこを吸いながらの使用も厳禁です。
またスプレー缶を、ストーブのそばなど火の近くに保管するのも絶対にやめましょう。
3.地面にスプレーしない
滑りやすくなるシリコンスプレーは、床にまくのは厳禁です。直接スプレーしなくても、飛散して滑りやすくなることがありますので、周囲を新聞紙やビニールシートで養生しましょう。
少量でも効果があるので、布やティッシュに吹き付けて、塗り広げる方法が経済的でおすすめです。
まとめ
シリコンスプレーの上手な使い方について解説しました。
シリコンスプレーには
- 潤滑
- 防水・撥水
- 防汚
- 艶出し
の効果があり、様々なシーンで活躍してくれます。
あなたも日常生活のちょっとしたイライラを、シリコンスプレーで解決してみませんか。少量でも思った以上の効果がありますので、少しずつ試してみるのがおすすめです。