発泡スチロールは何でできている?
発泡スチロールは、プラスチックの一種ですので、石油で出来ています。水中でかき混ぜたものに、発泡剤を加えると発泡スチロールの原料である原料ビーズになります。
これを蒸気で加熱して50倍にしているので、98%は空気で原料は2%程度です。
石油から作られているというと環境にも有害だと思われがちなのですが、発泡スチロールには石油由来の原料は2%しか含まれていないので、とてもエコフレンドリーなんです。
発砲スチロールをレンジでチンはNGな理由
発泡スチロールはプラスチックの一種なので、耐冷性に優れていますが、熱に弱く、電子レンジで加熱すると変形したり、穴が空いたり、最悪、溶けてしまいます。
電子レンジは、マイクロ波が食品内部の水分を振動させることで生じる摩擦熱によって食品の温度を上げるので、ほとんど水分を含んでいない発泡スチロール自体は熱くなりませんが、溶けた発泡スチロールが温められた食品に付着してしまいます。
食品トレーやお弁当の容器が発泡スチロールの場合はレンチンはやめましょう。
発泡スチロールは耐熱温度が低い
発泡スチロールは別名「発泡ポリスチレン」といい、耐熱温度は70~90度しかありません。
JIS(日本産業規格)は、電子レンジで使える耐熱容器は140度以上の容器と定めています。それ以下の耐熱容器では電子レンジのマイクロ波があたると溶けたり、変形してしまうからです。
万が一、発泡スチロールをレンチンしてしまった場合、人体への影響が気になりますよね。
日本スチレン工業会によれば「ポリスチレン自体は化学的にも安定で、無害」であり、「誤って食べたとしても消化吸収されずそのまま体外に排出」されるとしていますし、FDA(アメリカ食品医薬品局)も、「発泡スチロールが食品と接触しても安全だ」としていますので直ちに人体への影響はない、と言えそうです。
熱が加わることで縮む
先日、ハンバーグを作ろうと思い、冷凍庫に入れていたひき肉を電子レンジで解凍しようとしたのですが、失敗してしまいました…
普段は発泡スチロールのトレーから耐熱容器に移してレンジに入れていたのですが、疲れていたこともあり、解凍だから大丈夫だろうと思って、トレーごとレンチンしたんです。そうしたら…
トレーに穴が開いていました…
皆さんも、疲れていても発泡スチロールの容器に入ったお惣菜、お弁当などは必ず耐熱容器入れ替えてからレンチンしてください!
テイクアウト弁当をレンジで温めるには?
外食チェーン店でテイクアウトする時、発泡スチロール製の容器に入っていることが多いですよね。温めるためにレンチンしたくなる気持ちはわかりますが、そのままレンチンしないでください。
別皿に移し替える
発泡スチロールは電子レンジ不可なので、次のいずれかに移し替えてください。
- 電子レンジ対応(140℃以上の耐熱性のもの)陶磁器のお皿、プレート
- 電子レンジ対応(140℃以上の耐熱性のもの)のプラスチック容器
- 電子レンジ対応(140℃以上の耐熱性のもの)のガラス皿
- 電子レンジ対応(140℃以上の耐熱性のもの)のシリコン容器
電子レンジ対応しているかどうか必ず確認することが大切です。
ラップを軽く被せる
発泡スチロールの容器から電子レンジ対応の容器に移し替えたら、ふんわりと耐熱性のラップを被せましょう。ポイントは「ピンと伸ばして被せないこと」です。
なぜかというと、ラップをピンと伸ばして容器に被せると、食品の水分が蒸気になって膨らみ、ラップが破れる可能性があるからです。
レンジで発泡スチロールが溶けたときの掃除方法
もし、誤って発泡スチロールの容器をレンチンしてしまった場合、最悪、発泡スチロールのかけらがレンジ内に飛び散ってしまいます。
そんな時の対処法をお伝えします。
お湯につける
- ふきんやお掃除棒(マツ〇棒)に70℃程度のお湯をつける。(火傷に注意)
- レンジ内の発泡スチロールをふやかせてから、拭き取る。
温めた重曹水で拭き取る
- コップ1杯の水に大さじ1杯の重曹を入れ、重曹水を作る。
- 重曹水を沸騰させる。
- 冷ましてから重曹水をふきんかお掃除棒に染み込ませる。
- レンジ内の発泡スチロールを拭きとる。
溶剤を使う
これは最後の手段ですので、どうしてもレンジ内の汚れが取れない場合に行ってください。
- シンナーやトルエンなどの有機溶剤をふきん、お掃除棒にしみ込ませる。
- レンジ内の発泡スチロールを拭きとる。
シンナーやトルエンなどは劇物に指定されており、中枢神経をマヒさせる危険な溶剤です。取り扱いにはくれぐれも注意してください。
まとめ
最後に、今までお伝えしてきたことをまとめておきます。
- 発泡スチロールは耐熱性が低いので電子レンジはNG。
- 発泡スチロール容器使用のテイクアウト弁当は別容器に移してレンチンする。
- 冷凍した納豆は栄養や風味が損なわれるのでレンチンNG。
- レンジ内の発泡スチロールのかけらはお湯や重曹水で拭き取る。