洗濯機の下には防水パンが設置されています。
普段は洗濯機の下に隠れて、全体を観察することがほとんどない防水パンについて、役割はじめ種類やサイズ、そしてサイズの計り方からサイズが合わない時に取るべき方法などを詳しく解説します。
防水パンは何のためにあるの?
防水パンの役割ってなんでしょうか?この章では基本的な防水パンの役割を解説します。
水漏れしたときの床濡れを防ぐ
洗濯機の排水は、ホースを伝わって防水パンの排水口から流れていきます。
防水パンは、ホースが劣化していたり、ホース中に溜まったゴミの影響などで床が濡れるのを防ぐ役割があります。
結露で床が濡れるのを防ぐ
冬の洗濯時には洗濯機の底が冷えて結露が発生しやすくなります。
こんな時に防水パンがあれば、床が濡れるのを防いでくれます。
床への振動を軽くする
マンションなどで洗濯機を使用していると、脱水時の振動音が下の階に伝わらないかと気になることがありませんか?
洗濯機と床の間に防水パンがあれば、洗濯機の振動を軽減してくれます。
念の為に市販の防振パッドがあれば、なお安心です。
防水パンの種類と形
防水パンの種類について、ここでは代表的な3つのタイプについて解説します。
フラットタイプ
最も普及していてオーソドックスなタイプです。
ほとんどの洗濯機に対応できる反面、洗濯機と防水パンの隙間が狭く、掃除がしにくいのがデメリットといえます。
かさ上げ(枠あり)タイプ
防水パンを支える支柱(かさ上げ)が四隅にあり、それを面(枠)で挟んだ形状が特徴です。
隙間がある分、フラットタイプよりも掃除がしやすいものの、奥までキレイにするにはちょっと手間がかかりそうですね。
かさ上げ(枠なし)タイプ
かさ上げに当たる支柱が四隅にありますが、枠がないのがこのタイプです。
洗濯機と防水パンの隙間に余裕があるため、掃除しやすいのが特徴です。
規定の防水パンのサイズ
それぞれの住宅ににはあらかじめ防水パンが設置されている場合がほとんどですが、そのサイズは一般的に次のサイズに大別されます。
640サイズ
このサイズは、幅640x奥行き640ミリの正方形です。一般的に賃貸住宅に設置されている普及タイプがこのサイズです。
740サイズ
このサイズは、幅740x奥行き640ミリです。ドラム式洗濯機などはこのサイズに適応するでしょう。
800サイズ
このサイズは、幅800x奥行き640ミリの長方形です。
3つのタイプの中では最も大きめのサイズです。
ドラム式におすすめの600サイズ
住宅の大きさに合わせて、コンパクトななタイプの防水パンもあります。これが幅600x奥行き600ミリのサイズです。
これから洗濯機を買う際には、防水パンに合わせたものを選ぶとよいでしょう。
防水パンのサイズの測り方
防水パンのサイズを測る場合、どこからどこまでを計測すればいいのでしょうか?
この章では、内寸・外寸・高さに分けて計り方を解説します。
内寸の測り方
内寸を測る場合には、文字通り内側のサイズを測ります。
つまり、内寸とは、実際のサイズである外側ではなく、洗濯機を納めるフラットな内側(幅と奥行きを含めた)ということです。
外寸の測り方
防水パンの実際のサイズとして、外周にあたる幅と奥行きを測ることで、外寸を求めることができます。
高さの測り方
防水パンの四方に支柱(かさ上げ部分)があればその高さを測ります。フラットタイプの場合は、横から見て実際の高さを測りましょう。
防水パンの外側と内側の高さが違う場合には、外寸・内寸の高さを測っておくとよいでしょう。
防水パンのサイズ以外のチェックポイント
ここでは、洗濯機を実際に防水パンに設置して、日常的に洗濯機を稼働させるためのポイントを解説します。
設置面から給水用の蛇口までの高さ
給水用の蛇口の高さは、実際に洗濯機を稼働する上では重要な要素といえます。
マンションなどでは、防水パンに接する壁面に蛇口がある場合がほとんどですが、蛇口の位置は、設置する洗濯機の高さよりも上にくるように洗濯機の高さを確認しましょう。
排水口の位置
洗濯機を設置しようとした時に、本体の排水管が、左右も含めてどの位置に付いているかを確認しましょう。
この時、防水パンの排水口と洗濯機の排水管は、できるだけ近い方が設置しやすくなります。長すぎる場合には、洗濯機の排水管をカットすることもあるでしょう。
防水パンのサイズや高さが合わない時のリスク
防水パンのサイズや高さが洗濯機設置する際に、合わなかったらどうなるのか?事例別にみていきましょう。
洗濯機そのものが入らないことも
新しいマンションなどに入居する際に、設置されている防水パンのサイズよりも、持ち込む洗濯機のサイズが大きかった場合には、設置が困難です。
洗濯機が合わずに不安定になる(設置不可)
防水パンの内寸よりも洗濯機の脚の四方サイズが大きかった場合には、洗濯機が設置できません。
無理に設置しても、足元が不安定になり、おすすめできません。
給水用の蛇口にぶつかるおそれがある
蛇口の高さと洗濯機の高さだけを確認して、「ギリギリ入るだろう」と思っていても、防水パンのかさ上げの高さにより、洗濯機が蛇口をふさいでしまうおそれがあります。
正しく設置するためにも、蛇口の位置と防水パンの高さ、そして洗濯機の高さは必ず確認してから持ち込みましょう。
防水パン、排水口の掃除を必ずやる
防止パンと洗濯機の隙間や排水口は、普段の掃除の際には、見逃しがちなカ所ではないでしょうか?
かといってそのまま放置してしまうと、ゴミで排水口が詰まる原因ともなりかねません。この章では、防止パンと排水口の掃除の仕方を解説します。
防水パンと排水口の掃除方法
防水パンと排水口を掃除する際、洗濯機をそのまま動かさずに掃除できないでしょうか?ここではそんな手順と方法を紹介します。
<手順と方法>
- 洗濯機と防水パンとの間の隙間から、可能な範囲でホコリを取り除く(ハンディワイパーなどで)
- ハンディワイパーが通らない場合は、ハリガネのハンガーにストッキングなどを巻き付ける方法で試す(ストッキングの静電気を利用)
洗濯機を「かさ上げ」すれば防水パンが掃除しやすい
防止パンと洗濯機の隙間がほとんどない場合には、「かさ上げ」により掃除しやすい空間が確保できます。
その場合、市販のかさ上げグッズを使うと便利です。
防水パンのサイズをメジャーで測っておく
洗濯機は、生活の中での必需品です。洗濯機を正しく快適に使用するためには、何よりも防水パンと洗濯機の相性が大切なことがわかりましたね。
特に新しくマンションに引っ越してきた際には、持ち込む洗濯機のサイズと同時に、設置する防水パンのサイズを正確に測ることが大切なんですね。
本記事で解説してきたそれぞれの項目を確認することで、サイズが合わなかったことのリスクが少しでも回避できることを願っています。